百合好きによる百合好きのためのレビュー

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悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 作品概要

・タイトル:悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。
・ 著者 :翅田大介
・イラスト:珠梨やすゆき
・投稿時点での発行巻数:2巻(完結)

 評価

・ シナリオ :★★★★★★★★★☆
・  構成  :★★★★★★★★★☆
・   世界観  :★★★★★★★★☆☆
・   雰囲気  :★★★★★★★★★☆
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・ テキスト :★★★★★★★★☆☆
・    絵   :★★★★★★★★☆☆
・  読みやすさ :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★★★★☆
・  オススメ度 :★★★★★★☆☆☆☆

 百合的注意点

・百合度:低~
・男性キャラの登場頻度:ほぼ常時
・  男性キャラの邪魔さ :中

 感想など

こんばんは!

気が付けば三月ということで、私も引っ越してから一か月経ちました。仕事も再開して一か月ということになりますが、こちらにも概ねは慣れてきた感じがしますね。仕事も通常のフルタイムより少ない36h/wで働いているため、今のところブログ更新も毎日に近い頻度で出来ています。今後もこれくらいの仕事量、拘束で働いていきたいなぁ。

 

 

さて、本日紹介する作品はカクヨムで連載されていた『異世界転生』ファンタジー、「悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。」です。

 

 <ストーリー>

「聞こえませんでした? 指を落とせと言ったんです」
その日、『悪役令嬢』のキリハレーネは婚約者の王子に断罪されるはずだった。しかし、意外な返答で事態は予測不可能な方向へ。少女の身体にはヤクザの女組長である霧羽が転生してしまっていたのだった。お約束には従わず、曲がったことを許さない。ヤクザ令嬢キリハが破滅フラグを粉砕する爽快ストーリー、ここに開幕!

悪役令嬢への転生、つまりは『乙女ゲーム』です。ヒロインではなく悪役令嬢側への転生なので、いわゆる『チート能力』は持っていません。ただ生来の魔力保有量がそこそこ高いことと、魂側の持つ記憶、つまりは彼女が組長をはっていた時に培った戦闘スキルによってかなりの戦闘能力を持っています。ただし本作の主人公において最大の武器は、その身体能力や戦闘スキルではなく、『胆力』です。前世の経験、潜り抜けた修羅場の数々から得られたものを活かし、やりたい放題している"ゲームヒロイン"の野望を砕く。そういう作品ですね。

 

 <キャラクター>

主要キャラクターですが、メインとなるのは主人公、そしてゲームヒロインでしょう。

主人公は元ヤクザの組長で、ゲーム世界の『悪役令嬢』の体に転生(憑依)した女性・霧羽キリハ(キャラクター名・キリハリーネ)です。前世においてかなり有能な存在だったようで、若くして裏世界に名を轟かせた女帝。その引退年齢が三十路前であるにも関わらず・・・というあたり、彼女の異様さがわかります。本来は別の少女の魂がこの世界に運ばれるはずだったのですが、その少女の死を身を挺して覆した結果、召喚者の予定ではなかったキリハがこの世界に移ることとなりました。

続いてキリハがこの世界に呼ばれることになった原因、元凶である少女・ユリアナです。乙女ゲーム世界の『ヒロイン』として転生した女性で、いわゆる人間のクズ。美貌以外に優れたものを持たないという、悪役の中の悪役です。ゲーム的な側面から言えば光と闇の両属性を備える聖女というチート的存在なのですが―――

あとは付け加えるなら、主人公をこの世界に招いた張本人にして、この世界の管理者。人間名・ジェラルドと名乗る男性です。ヒロインという最重要ポジションに最悪のバグを仕込んでしまい、慌てて軌道修正すべく悪役令嬢の身体を活用するべく、今回の事態を引き起こしました。ちなみに、この世界における彼の立ち位置はキリハの執事。破天荒な(乙女ゲームを大きく逸脱した)彼女の立ち居振る舞いに胃薬を欠かすことのできない、可哀そうな方でした・・・(笑)

他にも多くのキャラクターが登場しますが、重要な存在としてはこの国の国王・パトリックですね。あとは本来の『攻略対象』である王子や貴族の嫡子たち・・・・の、元婚約者たちでしょうか。主人公・キリハと盃を交わす彼女たちも、なかなかに面白い女性です。ドラゴン(ショタ)も登場頻度は高めでしょうか。

 

 <百合度>

百合度はほぼ皆無と言っていいでしょう。強いて言うならキリハが前記の「攻略対象の貴族の、その元婚約者」の女性のうちの一人を抱き枕として重宝していますが、まぁそれくらいです。描写も一巻に少しあるくらいで、それ以外はほぼなしとしていいでしょう(ちなみに彼女は前世で色々あって、「女好き」と思われていた時期もあったらしく、手管"は"かなりのものとのこと)。

そもそもとして主人公が男の前で肌を晒すことに抵抗のない、非常に漢気のある性格をしてますからね。最終的に周りにいるのも男性になっていました。

 

 <総評>

ストーリー、展開については個人的には中々面白いと思います。また、何より主人公のキャラクターがとても魅力的というのが、この作品最大の売りでしょう。他方、かなり人を選ぶ作品であるとも思いました。百合度云々を差し引いてもなお、お勧め度を総合評価と同ポイントには出来なかったでしょう。

ということで、かなりの異色作品の紹介でした。主人公が『悪役令嬢』で、かつ『前世も女性』であるため、そこに引っかかって購入すべきか悩んだ諸氏も多いことでしょう(そうか?)。是非参考にしていただければと思います。

それではノ