百合好きによる百合好きのためのレビュー

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春綴る、桜咲くこの部屋で

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 作品概要

・タイトル:春綴る、桜咲くこの部屋で
・ 著者 :トクヲツム
・  掲載誌 :ガンガンコミックスONLINE
・投稿時点での発行巻数:1巻(刊行中)

 評価

・ シナリオ :★★★★★★★★★★
・  構成  :★★★★★★★★★★
・   世界観  :―
・   雰囲気  :★★★★★★★★★★
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・    絵   :★★★★★★★☆☆☆
・  読みやすさ :★★★★★★★★☆☆

・  総合  :★★★★★★★★★★
・  オススメ度 :★★★★★★★★★☆

 百合的注意点

・百合度:低~
・男性キャラの登場頻度:低
・  男性キャラの邪魔さ :―

 感想など

こんばんは!

一月も中盤を過ぎて、今期作のアニメ作品も一通りスタートしましたね。私の視聴作品は以前にお話した通り、「スローループ」「明日ちゃん」、「CUE!」、それとショートで「イロドリミドリ」ですね(あとは通期で「プリマジ」)。今期は非常に少なめですが、コロナ以降再放送ブームがありますからね、今で言えば「プラオレ」「まちカド」の二作品が最放送中です。「まちカド」は恐らく二期が決まっているからで、「プラオレ」はどうやら三月にソシャゲが開始するらしいので、それもあっての放映でしょうか。

再放送作品はともかくとして、今季作品。

・漸く「スローループ」も第一話を視聴しましたが、これはやはり外れることはなさそうですね。作画さえ崩れな崩れなければ、恐らく最後まで安定して楽しめるでしょう。

・「明日ちゃん」はさらに作画が重要になりそう。「明日ちゃん」の原作は本当に雰囲気で魅せるのが上手い作品ですからね。

・「CUE!」はどうやら2クール作品みたいですね。今のところは普通に楽しめています。リアルな活動を除けばこちらに集中していたと思うので、良い作品に仕上がってるといいなぁ。キャラクターが多いのでどうやってまとめるか、どの程度取捨選択するかが重要になりそうです。

そんなわけで、どの作品も期待できそうで嬉しい限りです。まだまだ始まったばかりですし、未視聴のものがあれば是非視てみてくださいな。どれもお勧めです(再放送の「まちカド」と「プラオレ」もね!)。

 

 

さて、それでは作品紹介に移りましょうか。本日の作品も新刊ですね。以前から百合作品を世に出しているトクヲツムさんの新作、「春綴る、桜咲くこの部屋で」です。当サイトでは以前に「伊勢さんと志摩さん」「終電で帰さない、たった一つの方法」を紹介したことのある作者さんですね。

 

 <ストーリー>

大学に入学した日、春喜は教室で桜と運命の出会いを果たす。互いに惹かれ合い、卒業後も一緒に暮らしていた二人だったが別れは突然やってきた。桜がこの世から消えてしまった…。あれから5年、5回目の桜咲く季節。未だ失意の中にいた春喜は偶然にも一冊の日記を発見する。それは桜が綴っていた未完の十年日記だった…。

恋人を亡くした主人公は、ある日亡くなったはずの恋人が見えるようになる。そして彼女は恋人の綴っていた十年日記を携えて、共に歩んでいた九年に最後の一年を書き足していく―――そんな感じのストーリーです。

紹介文から分かるように、設定がかなり重め&暗めです。描写の妙でぱっと見明るく見えるパートもあるのですが、やっぱり全体的に重いストーリーですね(希望や展望とかそういう話は別として)。私の中でトクヲツムさんは何となく明るめな作品を描く印象があったので(多分上記の「伊勢志摩」の印象が強い)、少し意外でした。

 

 <キャラクター>

主要キャストは基本的には主人公・春喜と彼女の恋人・の二人です。お話の構成が、主人公が二人の歩んでいた過去を日記に沿って辿りながら、生前の桜と関わりのあった(或いは春喜自身も関わりのあった)人たちと触れ合い、改めて桜について知っていくような、そんな感じになっています。そのためパートパートで登場する重要人物が、基本的には後に続かない感じなんですよね。恐らくこの構成は終盤まで変わらないと思うので、今後もメインキャストは主役二人のみで進むのだと思います。

 

 <百合度>

私の印象であるということを重ねて記した上でですが、百合度は低めです。本作は現在においても回想においても、基本的には春喜と桜がいて、或いは桜を知る誰かの話す彼女の描写もいつでも春喜のことを話しているように見えます。ただそれで百合度が高く感じられるかと言うと・・・またそれは別の話、という感じでしょうか。今作でトクヲツムさんの描こうとしている世界・雰囲気が、そういったものを凌駕しているのだろうな、というのが私の印象です(それはつまり、作品として素晴らしいという意味でもあるのでしょう)。

 

 <総評>

構成や雰囲気づくりの上手い、非常に素敵な作品だと思います。ただ先に記したように基本的にストーリーが重いので、その点苦手な方は留意してもいいかもしれません(個人的には瘦せこけた主人公の作画が痛々しくて辛い・・・)。主役の二人にしても、いわゆる百合作品や女性同士の恋愛を題材とした作品にあるような、女同士の恋人(もちろん恋人に限るものではないけれど)という側面はあまり感じられなくて、あくまで『一組の恋人の物語』という感じでした。そういう面もあって、恐らくは百合みを感じられなかったのでしょう。

素直に良い作品だな、と思える作品です。単純に「百合作品が読みたい!」という方には勧めるべきか迷うのですが、素直に素敵な作品が読みたい、という時に是非読んでみてください。

それではノ

※折角なので他の著書もぺたり。何故か「終電で~~」のkindle販売がありませんでした。まぁそのうち復活するとは思いますが(稀によくあるんです)