百合好きによる百合好きのためのレビュー

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コールミー・バイ・ノーネーム

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 <作品概要>

・タイトル:コールミー・バイ・ノーネーム
・ 著者 :斜線堂有紀
・イラスト:くわばらたもつ
・投稿時点での発行巻数:1巻(完結)

 <評価>

・ シナリオ :★★★★★★★★★★
・  構成  :★★★★★★★★★★
・   世界観  :―
・   雰囲気  :★★★★★★★★☆☆
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・ テキスト :★★★★★★★★★★
・    絵   :★★★★★★★★☆☆
・  読みやすさ :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★★★★★
・  オススメ度 :★★★★★★★★★☆

 <百合的注意点>

・百合度:中~
・男性キャラの登場頻度:中~
・  男性キャラの邪魔さ :中

 <感想など>

こんばんは! 今期は(も?)視聴作品が少ないという話をしたと思うのですが、そういえば先日ハチナイこと「八月のシンデレラナイン」をちょっと見てみました。アニメ版はソシャゲの方とは違って監督?(プレイヤー)がいないのでまだ行けるかなーと思ったのですが、あんまり私には合いませんでしたね・・・。ちなみに六話までは視聴してて、シナリオも悪くはないと思うのだけど個人的には、という感じでした。ちなみに作品は青春部活物!という感じでしょうか。少なくとも色恋が絡んでこなかったのは高評価ですけどね(視聴分までですが)。作画崩れはまぁ「球詠」で慣れてるので気にならなかったですし、単純に相性かな? 百合度はそこそこあると思うので、もし気になったら視てみてください。

 

さて、本日は前回に続いて小説作品の紹介です。作品名は「コールミー・バイ・ノーネーム」。漸く、漸く電子書籍で発売されました・・・!

この恋は終わる。
彼女の“本当の名前”を当ててしまったら――。
世次愛(よつぎめぐみ)は、深夜のゴミ捨て場に捨てられていた美しく奔放で掴みどころのない女、古橋琴葉(ふるはしことは)と出会う。たちまち琴葉の魅力に囚われる愛だったが、友達になることは固く拒まれてしまう。
そんな琴葉が持ちかけてきたのは、友達ではなくて“恋人”になること――そして、自分が改名して“琴葉”になる前の“本当の名前”を当てられたら、愛の望み通り友達になる――という奇妙な賭け。
仮初めの“恋人”としてぎこちなくも関係を深めていく二人だったが、琴葉の“本当の名前”に秘められた凄絶な過去(呪い)は、そんな幸福な時間が続くことを許さなかった――。

発売前からずっと待ってて、発売しても一向に電子版が出なくてずっとずっと待っていたのですが、先日漸く電子版が世に出てくれました。

『友達』になるために『恋人』になるという、おかしなスタートを切った二人の女性、愛と琴葉の物語。ジャンルはミステリに分類していいのでしょうか? シナリオ自体は二人の関係の変化、心の変化を描いたものですが、構成はミステリになっていると思います。特に琴葉の本当の名前を当てるというこの作品の肝になる部分。ここは丁寧にヒントを見せて最後に主人公・愛の考察から対峙という流れが本当によく出来ていると思います。私は今作において読み手が彼女の名前を当てることに特別な意味はないと思ってますが、強いて難易度を考えると比較的易しめだと思います。特に最後の部分、愛の考察がかなりしっかり描かれているので、少なくともその辺りでは候補として挙げられるのではないでしょうか。

さて、今作の評価についてですが、本当にシナリオ・構成のレベルが極めて高くキャラクターもいいし、文章も読みやすい。小説作品として(ミステリ云々ではなく)かなりすごいと思います(こなみ)。それなのに私がお勧め度を下げた理由。そうです、お察しのように男性関連ですね(笑) 特にヒロインである琴葉は男性遍歴がものすごいです。詳細に描かれてませんが、あるいは三桁にのぼるのではないでしょうか。彼女はかなりの頻度で他人の家を渡り歩いていて、その全員と体の関係を持っていました。この辺り実際に描写があるわけではないのですが、そういうのが苦手という方も一定数いると思っての、☆-1です(少なくとも私は得意ではないです)。またお話自体が全体を通して重めなんですよね。そこも留意しておくといいかもしれません。

そんなわけで待望していた今作。さすが、本当にかなり完成度の高い作品でした。そのため純粋に小説作品としてのお勧め度は極めて高いですし、百合度も低くないです。先に記した注意点を差し置いても十分お勧めできるレベルだと思うので、「いけそうかな?」と疑問形であっても感じた場合は是非買ってみてください。少しお高めですが十分その価値はあると思っていますので。

それではノ