百合好きによる百合好きのためのレビュー

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こわれたせかいの むこうがわ

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 作品概要

・タイトル:こわれたせかいの むこうがわ
・ 著者 :陸道烈火
・イラスト:カーミン@よどみない
・投稿時点での発行巻数:2巻(完結?)

 評価

・ シナリオ :★★★★★★★★★★
・  構成  :★★★★★★★★★★
・   世界観  :★★★★★★★★★☆
・   雰囲気  :★★★★★★★★★☆
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・ テキスト :★★★★★★★★★☆
・    絵   :★★★★★★★★☆☆
・  読みやすさ :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★★★★★
・  オススメ度 :★★★★★★★★★☆

 百合的注意点

・百合度:~中
・男性キャラの登場頻度:中
・  男性キャラの邪魔さ :低~

 感想など

こんばんは!

今日は土曜日ということで、今週もちょっと遠出してラーメンを食べてまいりました。今回訪れた先の売りは『煮干し』。私が頼んだのは『煮干し背油ラーメン』だったのですが、個人的にはかなり好きなタイプでした。味(出汁)が非常に濃く、細麺に非常によく絡む。チャーシューも半生の独特なもので、こちらもいい感じです。一般的なラーメン屋と比べると少しお値段は高めでしたが、非常に美味しかったので満足です。若干遠め(車で40分ちょい)なので頻繁には通いにくいですが、派遣が終わるまでにもう一回は行きたいですね。

 

 

さて、それでは作品紹介です。本日紹介するのは電撃文庫より「こわれたせかいの むこうがわ」です。

 

 <ストーリー>

《フウ》――最下層の孤独少女。
友は小鳥のアサと、ジャンク屋の片隅で見つけた、古いラジオのみ。

《カザクラ》――マイペースな腹ぺこガール。
出会った瞬間からフウを「お兄ちゃん」と慕い、陽気な笑顔でつきまとってくる。

そんな二人が出会ったここは、世界にただ一つ残るヒトの国。異形の怪物たちが支配する果てなき砂漠の真ん中で、ヒトビトは日々の貧苦を喜びとし、神の使いたる王のために生きねばならない――。
だが、彼女たちが知る世界は、全部大ウソだった。
たくさんの知恵と一握りの勇気を胸に。今、《世界一ヘヴィな脱出劇》が始まる。

第26回電撃小説大賞《銀賞》受賞作。
風の名を持つ、二人の少女の物語。

ジャンルとしては・・・一応ファンタジーになるのかな。若干SFちっくな要素はありますが、雰囲気はファンタジー作品っぽいです。

唯一の家族で会った母親を病気(脱水症状?)で亡くした主人公が、偶然手に入れた『ラジオ』から聞こえてくるその放送から知識を得て、それを糧として身を立てて成長していくお話です。途中ヒロイン的な存在である少女と出会い、彼女と二人でディストピアを生き抜く物語です。

 

 <キャラクター>

メインキャラクターですが、一巻時点では主役の二人。そこに一人合流して二巻に向けて三人。さらに二巻でもう一人増えて四人となります。四人目は二巻になるまで登場しないので、ここではその手前の三人を紹介します。

まずは主人公・フウ。母親を亡くしたことで孤独となった少女。一応母親と住んでいた家があるのですが、彼女の住む国・チオウの政府より追われることとなり、ヒロインの少女とともに外の世界を目指します。チオウという国はかなり強い情報統制がされているのですが、ラジオを入手したことで彼女は様々な知識を得てしまいます。それをしっかりと自分のものとして、その知識によって活路を見出していくことになります。まだまだ幼いために感情的になることもありますが、そもそもの生活が生死の境にいるため、度胸はあります。冷たいようで実際は情に弱いタイプの主人公ですね。

あ、ちなみにですが主人公・フウは紛れもない女の子です。ヒロインに『お兄ちゃん』と呼称されるのは彼女の体型のせいだと思われますが、もしかしたら何か大きな意味があるの・・・かも?(と、最初は思っていたのですが、二巻までの段階で意味があるとは思えなかった)

次はヒロイン・カザクラですね。主人公との初邂逅時、歩いているサソリを無造作につかんで口に入れるという野性味を見せた謎の少女です。明らかに国(チオウ)に追われており、フウは彼女との出会いをきっかけに国を出ることを選択します。非常に明るい少女で、彼女が参加してからは作品全体の雰囲気が明るくなりますね(そもそもカザクラが登場するまではほぼ全てが淡々としたフウの心情描写のみで、登場人物の会話すらほとんどない)。

三人目はチオウの警察機構『クロミカヅチ』に所属する女性・サミヤです。非常にスタイルの良い(らしい)大人の女性で、従える機械兵士にも情を向ける優しい方です。元々は二人(特にはカザクラ)を追っていたのですが、彼女自身が(フウ、カザクラとは無関係に)国に追われることになり、二人とともに外を目指すことになります。

第一巻のメインキャラクターは概ねこの三人くらいです。二巻からはかなりメインと呼べるキャラクターが増えますが、ここでは伏せておきましょう。

 

 <百合度>

百合度は高くはないです。メインキャラクターが二巻以降も含めて女性(少女)で構成されていること(男性も少なくはないです)、物語の中核がフウとカザクラの絆であることから低い、とまではいきませんが、作品全体のストーリーに常に緊迫感を伴うため、なかなかそういう感じの雰囲気にはなりませんね。

 

 <総評>

素直にストーリー・構成のいい作品でした。序盤のフウ一人のパートが少し退屈に感じる可能性があるのですが(こういう描写は人を選ぶと思っている)、カザクラと出会って物語が大きく動き始めてからは、常に緊迫感があります。個人的な印象ですが、アクションものの洋画のような緊迫感の連続、みたいな印象を受けましたね。単価も安いことですし、まずは一冊、是非読んでみてもらいたい作品です。

それではノ