百合好きによる百合好きのためのレビュー

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乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 作品概要

・タイトル:乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル
・ 著者 :春の日びより
・イラスト:ひたきゆう
・投稿時点での発行巻数:3巻(刊行中)

 評価

・ シナリオ :★★★★★★★★★★
・  構成  :★★★★★★★★★☆
・   世界観  :★★★★★★★★★☆
・   雰囲気  :★★★★★★★★★☆
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・ テキスト :★★★★★★★★☆☆
・    絵   :★★★★★★★★★★
・  読みやすさ :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★★★★★
・  オススメ度 :★★★★★★★★★☆

 百合的注意点

・百合度:低~
・男性キャラの登場頻度:ほぼ常時
・  男性キャラの邪魔さ :低~中

 感想など

そろそろ自由に使えるお金が枯渇しつつある水城です。ごきげんよう。
いやぁ、流石にニート期間にちょっと遊びすぎましたね・・・。何がっていうよりも何もかも見境なくお金を使いすぎました(笑) しばらくは節制しなければならないので、課金を控えるためにもソシャゲのプレイを停止すべきか・・・。本を買うのだけは躊躇する気ないので、他で何とかしたいですね。まぁ最悪投資商品売り払えばどうとでもなるのですが、使いすぎてそれっていうのはちょっとよろしくないですからね。少し気を付けて生活していきましょう。

 

 

それでは今日も作品紹介です! 本日紹介する作品はなろう発のファンタジー作品で、「乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル」です。

 

 <ストーリー>

剣と魔法の世界シエルで孤児として生きていた少女アーリシア。
ある日、彼女は自分が“乙女ゲームのヒロイン”であると知ってしまう。両親の死さえ単にストーリーの一部だったのだ。アーリシアはヒロインの役割を「くだらない」と一刀両断すると、冒険者『アリア』を名乗り、次第に複数の武器と魔法を操る「殺戮(さつりく)の灰かぶり姫」へと成長していく! だが、“悪役令嬢”の護衛依頼を受けたことで、気付かぬ間に貴族同士が争うゲームの舞台に巻き込まれていき――? 
「私は“私”だ。ゲームの登場人物じゃない!」
武器を作れ! 技を鍛えろ! 
強敵との戦いに生き残り、乙女ゲームをぶち壊せ!
戦うヒロインが魅せる、壮絶&爽快な異世界バトルファンタジー!

異世界転生という要素はありますが、本作の主人公は異世界転生したどこぞの女に命を狙われた乙女ゲームのヒロインの立場にあった少女です。世界観はゲームに準拠しているという設定であるため、『スキル』や『ステータス』の概念があり、前記のどこぞの女の知識が流れ込んできた主人公は、それらのことを"知識としては"他人よりも多く知っています。

ジャンルとしては異世界転生・・・とはちょっと言い難いですが、ハイファンタジーです!とも言い難い作品ですね。素直に架空戦記と称しておくのがおさまりがいいでしょうか。基本的には他人を(特に大人を)信じない主人公が、自らの得た"知識"でもって、自分の未来を切り開いていくストーリーです。

主人公はいわゆるチート能力は持っていなかったのですが、女に殺されかけてから以降、生死の境をさまよう戦闘を幾度となく繰り広げ、そのたびに持てる力と知識を駆使してそれを切り抜けて―――と、それを繰り返すうちに年齢には見合わない能力を手にすることになります。とはいえ単純に数値で彼女を上回る人間は、敵にも味方?にもいくらでもいるので、『異能生存体』のような感じですね。

 

 <キャラクター>

重要なキャラクターは非常に多いのですが、全体の流れとして特に重要な人物は三人・・・でしょうか?

まずは言うまでもなく主人公であるアリア(アーリシア)です。乙女ゲーム『銀の翼に恋をする』の主人公で、大貴族の血を引く私生児です(母親が貴族の出で、かけおちして彼女を生んでいる)。ゲームでは非常に明るく他者を引き付ける美少女になる―――と思われるのですが、本作では"どこぞの女"に殺されかけたせいか、あるいは彼女の知識を得たためか、そもそも生来の気質なのか。それはわかりませんが、非常に強かで冷徹な少女として成長します。数少ない味方(若しくはそれに準ずる相手)には手を伸ばすが、一度『敵』として認識すると一切の容赦をしません。どんな状況にあっても生を諦めず、命を奪うことに一切の躊躇がない。敵に回すと非常に厄介な存在ですね。

次に重要な存在としては、主人公のいる国の王女・エレーナ様です。主人公と同い年なのですが、王妃による異常な教育の結果、その頭脳と精神性が一般から逸脱してしまった少女です。主人公・アリアの認める唯一の『同類』で、彼女の強くなる理由の一つでもあります。

最後に重要な存在として君臨するのは、ゲーム内における悪役令嬢・カルラです。彼女もまた親の狂った指導を受けていたのですが、加えて数えきれない人体実験を重ねられ、結果手の付けられない魔法能力と異常な精神性を獲得します。本来ゲーム内では(能力的な意味で)ラスボスのような扱いをプレイヤーにされていたという、最凶の少女です。本来ゲーム内の役割としては婚約者である王子(要するに攻略対象)との兼ね合いで主人公と相対するのだと思うのですが、本来の展開から外れた流れとして、完全にアリア自身に対する強い執着を見せています。肉体的には脆く、一般人以下の耐久しかない彼女ですが、殺される未来が浮かばない恐ろしい少女です。こちらもアリア同様『異能生存体』の一種かと思います。

三巻まで読んだ限りではこの三人が特に重要な立ち位置に感じました。それ以外の主要なキャラクターとしては、もう一人の悪役令嬢にして、異世界転生者でもあるクララ。"あの女"の魂を引き継いだと思われる謎の少女。主人公・アリアの師と呼べる三人の大人たち、ヴィーロセラ、そしてセレジュラ。他にも非常に多くの人物が登場しますが、さすがに割愛させてください(笑)

 

 <百合度>

百合度は低い・・・というか殆どないと思っていいでしょう。作品の中でも重要なのはアリアとエレーナの邂逅、そしてカルラのアリアに対する執着ですが、それでどう・・・というのは難しいです。強いて言うならカルラの強すぎる感情に何か見いだせる人はいるのでしょうが、一般的な(私がここで述べているような)ものとは乖離するので、低いとしました。

ちなみにアリアは乙女ゲームの主人公(ヒロイン)だけあって、非常に優れた容姿をしています。魔法により肉体年齢も通常より早く成長しており、その独特の雰囲気、存在感よりかなり多くの少年達を魅了していきます(本人に自覚はない、というか色恋を理解していない)。ただ、今のところの印象として、本作においてアリアの色恋が中心になるストーリーは組まれない・・・と、思います。多分。微量警戒くらいだと思っておいてください。

 

 <総評>

アリアの人間性も好きですが、何よりもストーリー、物語の展開が非常にいいですね。素直に面白いと言える作品だと思います。注意点としてはいわゆる『ステータス』要素があることと、単純に百合度が低いという点でしょうか。また一巻の前半分くらいは世界観の、システムの説明的な要素が多いため、ちょっと退屈するかもしれません。そこを過ぎた後は群像劇なので、素直に楽しめると思います(「蜘蛛」の序盤みたいな感じ)。架空戦記系、特にこの手の主人公が好きという方にはかなり上手くはまった作品だと思うので、あてはまりそうな方はまず一巻を読んでみてください。記事投稿現在セールの対象となっているため、一巻が半額以下で買えます。是非この機会に。

それではノ