百合好きによる百合好きのためのレビュー

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処刑少女の生きる道

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 作品概要

・タイトル:処刑少女の生きる道バージンロード
・ 著者 :佐藤真登
・イラスト:ニリツ
・投稿時点での発行巻数:6巻(刊行中)

 評価

・ シナリオ :★★★★★★★★★★
・  構成  :★★★★★★★★★★
・   世界観  :★★★★★★★★★★
・   雰囲気  :★★★★★★★★★☆
・キャラクター:★★★★★★★★★★
・ テキスト :★★★★★★★★★☆
・    絵   :★★★★★★★★★☆
・  読みやすさ :★★★★★★★★☆☆

・  総合  :★★★★★★★★★★
・  オススメ度 :★★★★★★★★★★

 百合的注意点

・百合度:中
・男性キャラの登場頻度:低→中
・  男性キャラの邪魔さ :低~

 感想など

こんばんは!

今日はいきなり恐ろしく冷えましたね。私が住んでいる地域は太平洋沿いなのでまだマシですが、東京は最高気温が5度程度だとか。やばい。私も久々に暖房をつけてしまいました。

 

 

さて、3月も間もなく終了ということで、間もなく番組の切り替えですね。そこで、今回と次回に関しては、私が以前の記事で視聴する予定だとお話ししたアニメ作品のうち、紹介していなかった二作品を紹介したいと思います。

ということで、今回はラノベ作品、「処刑少女の生きる道バージンロード」です。

 

 <ストーリー>

この世界には、異世界の日本から『迷い人』がやってくる。
だが、過去に迷い人の暴走が原因で世界的な大災害が起きたため、彼らは見つけ次第『処刑人』が殺す必要があった。
そんななか、処刑人のメノウは、迷い人の少女アカリと出会う。
躊躇なく冷徹に任務を遂行するメノウ。
しかし、確実に殺したはずのアカリは、なぜか平然と復活してしまう。
途方にくれたメノウは、不死身のアカリを殺しきる方法を探すため、彼女を騙してともに旅立つのだが……
「メノウちゃーん。行こ!」
「……はいはい。わかったわよ」
妙に懐いてくるアカリを前に、メノウの心は少しずつ揺らぎはじめる。

『異世界転移』のファンタジー作品ですね。ただし本作の主人公は転移者ではなく、いわゆる現地人というやつで、ヒロインが転生者ですね。テキストは一人称よりの三人称で、基本的には主人公ベースですが、他のキャラクター視点もそこそこ多めなので、多角的にシナリオを進めていますね。

本作の特徴ですが、『異世界転移』という要素を感情移入やただの導入として消化するのでなく、しっかりと重要な要素として落とし込んでいる点ですね。ストーリー・構成や展開、世界観が非常にいいですね。かなり丁寧に、考え込んで作ってあると思いました。

 

 <キャラクター>

現在六巻まで出ているということで(七巻も間もなく)、主要キャラクターも随分増えてきました。ここで全員しっかり紹介するのはかなり厳しいので、一巻のメインキャラクター(頭のカラー挿絵に名前のあるキャラクター)のみ紹介しようと思います。

主人公・メノウはこの世界における教会の暗部の人間で、『迷い人』、いわゆる異世界転移者を殺すことを生業としています。導入で既に数多の迷い人を殺しており、伝説の処刑人『陽炎フレア』の後継者と呼ばれています。不死性を獲得してしまっているために殺すことが困難な迷い人(ヒロイン)との邂逅、そしてその少女を殺すための旅路により、少しずつ心情が変化していくことになります。

ヒロインは『迷い人』、つまり異世界転移者で元・日本の女子高生のアカリ時任ときとう灯里あかり)です。転移の際に【時】の概念が付与されており、それにより不完全ですが不死性を獲得しています(殺されると巻き戻る)。初対面のはずのメノウに非常に高い親愛を抱いています。

三人目は、もう一人のヒロインと呼べる少女・モモです。メノウと同じ修道院の、つまり処刑人の後輩です。立場としては『処刑人補佐』ですが、戦闘能力、特に肉体強化による近接戦能力が非常に高い少女です。この世界における魔導の力、『導力』の総量は常人はおろか、従来の処刑人を大きく凌ぎます(ちなみにメノウは並み以下)。メノウのことを「先輩」と呼んで強く慕っており、基本的にメノウ以外の人間には一切興味がないか、むしろ排他的ですらあるという極端な少女です。

最後に紹介するのは、アカリが召喚された国、グリザリカ王国の第二王女・アーシュナです。モモと同様保有導力量が異様に多く、加えて鍛錬を欠かさないタイプであるため、非常に戦闘能力が高いです。傲岸不遜・豪放磊落・唯我独尊・・・王族としての圧倒的なオーラと、高いカリスマ性を兼ね備えた非常に魅力的な女性で、民にも非常に慕われています。最近モモのことがお気に入り。

ということで、第一巻から―紹介のあるキャラクター四人です。本作の魅力の一つとして、キャラクターがあまさず良い、という点が挙げられます。やはりキャラクターがいい作品は、いいですよね(語彙)。個人的にはメノウの師匠である陽炎フレアと、2巻で登場するマノンさんが好きです。

 

 <百合度>

百合度はそこそこ高め。思いのほか登場人物に女性(少女)が多く、またメノウとアカリの絆に惹かれる部分がありました。モモもメノウ一直線ですし、上述したマノンさんもいいですね。とかく一定以上の百合度を常に維持している作品だと思いました。

 

 <総評>

個人的に、『異世界転移』を扱った作品としては「蜘蛛」と並んでツートップです。ドストレートな王道ファンタジーで、要素として『異世界転移』を用いているものの、雰囲気としては20年前ごろの(私的に)全盛期の富士見ファンタジアのイメージ(設定のためもあるでしょうが、個人的には「オーフェン」を思い出します)。少なくともなろう系っぽくはないですね。

ストーリー・構成、そして世界観・設定がいいということで、どなたにでも勧められる作品だと思います。百合度云々はおいておいてもファンタジー作品として非常に高いレベルにあると思うので、是非読んでみてください。間もなく始まるアニメも、期待して待ちましょう!

それではノ

 

※→はコミカライズ版です。私は原作しか読んでいないので、評価はなしです。気になる方はチェックしてみてください。