百合好きによる百合好きのためのレビュー

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武装メイドに魔法は要らない

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 作品概要

・タイトル:武装メイドに魔法は要らない
・ 著者 :忍野佐輔
・イラスト:大熊まい
・投稿時点での発行巻数:2巻(刊行中)

 評価

・ シナリオ :★★★★★★★★★☆
・  構成  :★★★★★★★★★☆
・   世界観  :★★★★★★★★★☆
・   雰囲気  :★★★★★★★★☆☆
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・ テキスト :★★★★★★★★★☆
・    絵   :★★★★★★★★★☆
・  読みやすさ :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★★★★☆
・  オススメ度 :★★★★★★★★★☆

 百合的注意点

・百合度:低~
・男性キャラの登場頻度:ほぼ常時
・  男性キャラの邪魔さ :低~

 感想など

こんばんは!

もう間もなく二月も終わりますね。今季作品もすでに折り返しを過ぎました。再放送を除けば今期の視聴数の少ない私ですが、今期は「明日ちゃん」が一強すぎますね。ストーリー・脚本・雰囲気、作画も何もかもが素晴らしすぎますね。是非ご視聴ください。

 

 

さて、それでは作品紹介です。本日は富士見ファンタジアより「武装メイドに魔法は要らない」。

 

 <ストーリー>

元・民兵の仲村マリナは転生した異世界で、公女エリザベートのメイドとなる。命を狙われるエリザを護るため、魔法の力で現代兵器を召喚する能力を得たマリナ。強大な魔法に武装メイドは銃火をもって立ち向かう!

ジャンルは一応『異世界転生』なのですが、主人公の転生前の世界、それ自体がいわゆる現代日本とは異なるので、少し違ったテイストになっていますね。また主人公はいわゆる『チート能力』を持っていると言える存在なのですが、敵として出てくるこの世界の貴族、騎士の連中がそれを上回るレベルのチートなので、無双は出来ません。

お話は表紙からもわかるかもしれませんが、ふわふわした感じはかなり少なく、全編通してシリアス度がとても高いです(戦記物的な意味での"ジョーク"はありますが)。特に戦闘パートの比率はとても大きいので、バトル物が好きな方に刺さると思います。

 

 <キャラクター>

主要キャラクターはそこそこ多くいますが、特にメインとなるのは主人公・ヒロインの主役二人ですね。

主人公は転生者であるマリナです。かなり荒れた世界から転生したようで、かつてはニッポンの民兵組織『ニッポン統一戦線』とかいう、ノスタルジーな大人の組織した部隊で戦っていた兵士の一人です。そちらの世界の具体的な状況は不明ですが、技術力的には"いわゆる現代"と同程度と思われます。言葉遣いが非常に乱暴ですが、コミックスで読んだ『武装メイド』に憧れており(「ブラクラ」的な何か?)、ヒロインに召喚されて以降はそのような立場で活躍していきます。ちなみに転生とは言いましたが、実際には召喚という言葉の方が近いようで、彼女の体も人間ではなく、木でできた『魂魄人形ゴーレム』と呼ばれる素体に魂が宿った形で存在しています。

もう一人の主人公、私の中でヒロインの立ち位置にあるのは、マリナが仕えることになる貴族の女性・エリザベートです。元々は強い力を持っていた家なのですが、戦争をきっかけに騎士である父と兄二人が死去し、戦争こそ終わらせられたものの、家は衰退しつくしています。父の遺言に従い『魂魄人形』を見つけた彼女が、最後の頼みとして召喚したのがマリナというわけですね。精神的に非常に強く、また高潔な女性で、マリナがずっと憧れていた自分の意志で仕えたいと思える主として認められ、彼女を従えることになります。

この二人以外で今のところ登場頻度の高い人物としては、魔獣使い・ダリウスや、騎士・リチャード。二巻からはマリナ同様に転生者であるヒロトも重要なポジションとして登場します(ちなみにヒロトはマリナと同様ニッポン(日本?)からの転生者ですが、呼ばれた時代は少しずれているみたいです)。また人間以外にも言語を操る種族も多く存在するのですが、二巻で登場する翼人・ペトリナや旧界竜・ファフナーは今後もレギュラーとして登場しそうですね。

 

 <百合度>

百合度は低めでしょうか。ただ、基本的にこの物語はマリナとエリザベートの物語です。二人は強固に結ばれているし、特にエリザベートは強くマリナを意識しているので、全くないということもありません。色恋の話が主軸になることはないでしょうし、そういう意味では期待できると思います。

 

 <総評>

一応『異世界転生』モノではありますが、基本的には素直なハイファンタジーと考えていいでしょう。レベル・ステータス概念もないですし、いわゆるなろう系のような作品とは異なるテイストですね。非常に富士見ファンタジア作品らしい作品で、『ファンタジー世界が好きで』、『特に戦記物が大好物』という方には強くお勧めしたい作品です。気に入りそうな方は是非読んでみてください。

それではノ