百合好きによる百合好きのためのレビュー

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ロケットガール

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 作品概要

・タイトル:ロケットガール
・ 著者 :野尻抱介
・イラスト:撫荒武吉
・投稿時点での発行巻数:4巻(完結)

 評価

・ シナリオ :★★★★★★★★★☆
・  構成  :★★★★★★★★★★
・   世界観  :―
・   雰囲気  :★★★★★★★★☆☆
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・ テキスト :★★★★★★★★★☆
・    絵   :(表紙のみ)
・  読みやすさ :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★★★★★
・  オススメ度 :★★★★★★★★★☆

 百合的注意点

・百合度:低~
・男性キャラの登場頻度:ほぼ常時
・  男性キャラの邪魔さ :低~

 感想など

こんばんは!

最近は仕事場にテレビが存在するため世間的な話題に触れる機会のある水城です。どうやら北京オリンピックが終わった(んだよね?)ようで、ちょいちょいハイライトを見かけますね。私はスポーツに対する興味が薄いのであまりしっかりは見ていませんが、何だか昔と比べると冬季五輪の種目が増えた気がしますね。私の中では冬季五輪は長野オリンピックの記憶がうっすらとあるだけなんですよね・・・確かゲームになりましたよね。友人宅でプレイしたような気がします。懐かしい。

 

 

さて、本日紹介するのは結構古めの作品ですね。アニメ化もされ・・・てるよね?「ロケットガール」です。

 

 <ストーリー>

女子高生の森田ゆかりは、16年前ハネムーン先で失踪した父親の消息を求めて、ソロモン諸島・アクシオ島を訪れた。そこで出会った「ソロモン宇宙協会」の所長、那須田と名乗る男は、父親捜しを手伝うかわりに、ゆかりを協会にスカウトする。そこには、軽量化を余儀なくされたロケット打ち上げのため、小柄で体重の軽いゆかりを飛行士に採用しようという協会の思惑があったのだが……

消息を絶っている父親を捜しに外国へ来たら、たまたまロケットパイロットの逃亡劇に巻き込まれ、体のサイズ(より正確には重量)からパイロットに欲しいと請われ、父親捜しを対価に請け負った結果、父親は何故か現地部族の長になっていたため見つけたはいいものの早々に連れ帰ることが出来ず、なんやかんやあって宇宙へ飛び立った―――そんな感じのお話です。

テンポというかテンションの高めの作品なのですが、シリアス度は結構高いです。あと主人公が変に大人びていない、今風(当時比)の等身大の女子高生として描かれているため、結構他人とのぶつかり合いが多いです。そういう意味では最近はあんまり見ないタイプの主人公・・・かも?(私の読む範囲にないだけかもですが)

 

 <キャラクター>

ロケット搭乗員だけでなく開発スタッフも大勢いるので、登場人物は多いです。なのでここでは搭乗員の三人に絞って紹介しましょう。

まずは主人公。父親捜しに来たはずなのにロケットのパイロットになってしまった女子高生・ゆかりです。顔も知らない父親を捜すために単身海外に渡るアクティブな性格。我が強く自分の意見を譲らない頑固さ。情に厚く最終的には人のために動いてしまう人情深さと、何とも主人公らしい主人公です。昔の少年漫画・アニメに多い熱血系主人公ですね。

次に私の中でヒロイン枠である少女。主人公の父親のいる部族の娘で、というか主人公の腹違いの妹(同い年)であるマツリです。かなりの野生児・・・のようでいて、割とまともな性格をしており、部族内の『魔法使い』という立ち位置の少女です。非常に素直な性格をしていて、自由なようでいて問題児度合いで言えば主人公の方が上という。ゆかりには出会った時からずっと懐いています。

三人目は二巻から登場する、主人公が元々通っていた学園の、元同級生の少女・です。体は強くないものの、非常に賢く、また勤勉な女の子ですね。基本的にまじめな性格をしているのですが、"偶然の事故"からゆかりと再会?し、最初に勧誘されたときには一度断るのですが、その後の学園の対応に不信感を抱いた結果、学園を飛び出して、「来ちゃいました」した中々行動力もある少女です。スタートとエンドの加重でほぼ確実に失神するという身体的な弱点こそあるものの、知識だけでなく頭の回転が非常に速い頼れるブレーンタイプですね。

ということで、この三人が一番の中心、ロケットガールズです。それ以外のメンバーは開発や責任者など多くの大人たちですね。他国の(大人の)パイロットも登場しますし、三巻ではゆかりとマツリに続く他国のロケットガールズも登場しますね。

 

 <百合度>

百合度はそこそこくらいでしょうか。時代柄(?)そこまで意識されてはいないと思いますが、パイロットが全員同年代の少女ですからね。特にゆかりとマツリの安定感は非常に高いです(というか、マツリが有能すぎる)。また三巻で登場するフランスのロケットガールズ。一部メンバーに"ちょっと"問題ありなのですが、リーダーの少女・ソランジュとゆかりのタッグが非常に良かったです。

 

 <総評>

私はアニメ未視聴なのですが、さすが、非常にいい作品でした。単純にストーリーがいいですね。キャラクターは主人公だけが性格的に好みが分かれる可能性があるかもしれませんが、基本的に人を選ぶ作品ではないでしょう。ジャンルはSFですが、読む上で科学的な知識は必要ありません(あった方がより楽しめはしますが)。素直に名作と呼べる作品なので、是非読んでみてください。

それではノ

 

※↑は早川書房による復刻版です(元々は富士見ファンタジア?)。電子ではこちらしかないので、こちらを貼っておきます。ちなみに通しのストーリーは3巻までで、4巻はおまけの短編集でした。