百合好きによる百合好きのためのレビュー

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しずるさんと偏屈な死者たち

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 作品概要

・タイトル:しずるさんと偏屈な死者たち
・ 著者 :上遠野浩平
・イラスト:椋本夏夜
・投稿時点での発行巻数:4巻?(完結?)

 評価

・ シナリオ :★★★★★★★★★☆
・  構成  :★★★★★★★★★★
・   世界観  :―
・   雰囲気  :★★★★★★★★★☆
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・ テキスト :★★★★★★★★★★
・    絵   :★★★★★★★★★☆ or ★★★★★★★☆☆☆
・  読みやすさ :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★★★★★
・  オススメ度 :★★★★★★★★★☆

 百合的注意点

・百合度:低~中
・男性キャラの登場頻度:中~
・  男性キャラの邪魔さ :低

 感想など

こんばんは!

昨日は休みだったのですが、一日中眠り続けてしまいました。例によって12時頃に起きて、一時間くらいで寝て、18時頃に起きて、1時間くらいで寝て、21時くらいに起きて、そして日付が変わるまでには眠りました。みなさんはこういう休みってありますか?私的には結構よくあるんですが・・・どうですかね、少数派なのかしら。

 

 

さて、本日は久しぶりに小説作品、しかもかなり古い作品の紹介ですね。「ブギーポップ」シリーズで私らの世代では超絶有名な作家である上遠野浩平先生の、「しずるさん」シリーズです。

 

 <ストーリー>

「ねえ、よーちゃん――この世界には不条理としか思えない謎がいくつもあるわけね?」しずるさんはそう言うけれど、私には彼女こそ、この世で一番謎めいてみえる――何年も病床にありながら、とても綺麗で、この世の誰よりも聡明で――どんな不可解なおぞましい殺人事件の数々も、彼女の前では只のごまかしになってしまう――妖怪化したり、宇宙人に狙われたり、幽霊犬に襲われたり、吊られたりする死体の謎を病室から外に出られない少女の推理が解き明かす、これは少し不気味で、かなり奇妙で、ちょっと切なげな、少女達の不思議な冒険をめぐるものがたりです――。

当時『富士見ミステリー文庫』で連載されていた作品ですね。好きだったんですよね・・・富士見ミステリー作品。「ブギーポップ」も当時ものすごく好きなシリーズで、毎回新作出るたびにすぐに買って読んでいました。

本作「しずるさん」シリーズはジャンルとしてはちょっと特殊ですが、ミステリーに分類されます。世界観こそ「ブギーポップ」と共通していますが、超常的な現象は基本的に発生しません(かなり強引な理屈付けはされますが)。タイプとしてはいわゆる『安楽椅子探偵』というやつですね。事件現場には赴かず、事件の内容を聞いただけで(調べただけで)その本質を見抜くというものですね。

構成としては基本的には一話完結型の短編です。各巻数話のストーリーと、書き下ろしとして「チクタの冒険」という、ヒロイン二人による創作のお話が描かれています。

 

 <キャラクター>

メインキャラクターは二人+一人の三人ですね。まずはダブルヒロインであるしずるさんよーちゃん。簡単に役割をあててしまうなら、いわゆる『探偵役』がしずるさんで、『助手役』がよーちゃんと言えます。ただししずるさんもちょくちょく言うように、よーちゃんも非常に頭がいいです。よーちゃん自身もしずるさんの言う『ヒント』をきっかけに謎を解いたりしますし、ダブルで探偵役と言えなくもないですね。

もう一人はしずるさんの入院する病院の、その主治医です。そこそこ若い男性医師で、彼もちょくちょく登場して、事件の話やしずるさんの『病気』のことで話をしたりします。また、最終巻?にだけ「ブギーポップ」シリーズでおなじみである"炎の魔女"霧間凪が登場します。

 

 <百合度>

新装版の紹介文には「ちょっぴり百合」との表記があるのですが、私の印象としての百合度は低めです。ただし作品の大部分をよーちゃんとしずるさんの会話(よーちゃんの一人称)が占めているため、題材が血なまぐさいことになっていても、全体的にふわふわした雰囲気の作品です。特にしずるさんはかなり強くよーちゃんに精神的に依存しているため(共依存に近い)、そういう関係性が好きな人には強く響くかもしれません。

 

 <総評>

作品としての完成度が極めて高いシリーズです。いわゆるトリックはかなり強引なものが多いですが(なので、純粋にレベルの高いミステリーが好きという方には微妙かもしれない)、とにかく文章が、そして構成が上手い。作品の連載当時から、個人的には「ブギーポップ」より好きだったんですよね(単に二人が好きなだけかもしれないが)。二人の会話や作品全体の雰囲気も良く、個人的には非常にお勧めの作品で、なぜか第一巻である「偏屈な死者たち」だけが電子化されていて、二巻以降がなかったのですが・・・最近になって新装版の方で全て電子化されたので、こうして紹介することにしました。多少人は選ぶかもしれませんが非常に好きなシリーズなので、もし気になったならまずは是非一冊でいいので、読んでみてください。

それではノ

 

※↑は唯一新装版ではない、オリジナルの第一巻です

 

※こちらが新装版ですね。揃える場合はこちらで買った方が綺麗に並びますが、個人的にオリジナルのイラストレーターである椋本夏夜さんのファンなのです(笑)
作品の順番が分かりにくいのですが、上記の左から順番が発刊順です

 

※全ての始まりです。折角なので一応貼っておきますが、基本的に百合度には期待しないでください(といっても、読んでいたのが昔すぎて覚えていませんが)。非常に長いシリーズなので読む場合は気合を入れましょう(笑)