百合好きによる百合好きのためのレビュー

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地球さんはレベルアップしました!

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 <作品概要>

・タイトル:地球さんはレベルアップしました!
・ 著者 :生咲日月
・イラスト:shnva
・投稿時点での発行巻数:1巻(刊行中)

 <評価>

・ シナリオ :★★★★★★★★☆☆
・  構成  :★★★★★★★★★☆
・   世界観  :★★★★★★★★★☆
・   雰囲気  :★★★★★★★★★★
・キャラクター:★★★★★★★★★★
・ テキスト :★★★★★★★☆☆☆
・    絵   :★★★★★★★★★☆
・  読みやすさ :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★★★★☆
・  オススメ度 :★★★★★★★★☆☆

 <百合的注意点>

・百合度:中
・男性キャラの登場頻度:中~
・  男性キャラの邪魔さ :低

 <感想など>

こんばんは! 7月に引っ越したばかりなのに早くも次の引っ越しとなりそうな水城です。個人的に勤務地を転々とするのは特に構わないのですが、引っ越しの荷造り荷ほどき作業の面倒くささがどうにもなんですよね・・・。やはりミニマリストになるしかないのか、いやしかし・・・

 

さて、本日紹介するのは多分久々に小説作品です。なろう産の小説で、「地球さんはレベルアップしました!」。文字通り"地球"がレベルアップしてしまうお話です。

ある日、『地球さんはレベルアップしました!』と世界中に謎の声が響き渡り、現代にレベルやステータス、ダンジョンが出現。そのひとつに羊谷命子(ひつじやめいこ)は巻き込まれて大ピンチ! ……ではなく、持ち前のガッツと中二病心で世界初の生還者に!? 高校入学後も幼馴染の紫蓮やお嬢様のささら、外国育ちのルルとともに無限鳥居ダンジョンに落っこちてしまうが、JKの本領発揮! 宿でワイワイお泊まりしたり、魔導書士、棒使い、騎士、NINJAと、それぞれジョブに就くとスマホで記念撮影やファッションショーをして思いのほか楽しんでしまう。ただ、そこには魔物が潜んでいて――
「私たちはね、世界最強の四人組なんだよ」
仲間との友情で挑むガールズ冒険ファンタジー、はじまります !

非常にわかりやすくなろう小説です。なろう系のテンプレな舞台設定、雰囲気が苦手な場合その時点で難しいと思われますので、基本的にそれが問題ないものとして進めます。

この作品の特徴はキャラクターの住む星である"地球さんのレベルアップ"と、それにより変化した地球環境、"カルマ式ステータスシステム"です。このカルマ式ステータスシステムというのは、いわゆる"レベル"という概念を用いた一般的な(?)能力の数値化に加え、カルマ―――すなわち業を取り入れたものになります。おおざっぱに説明してしまうと、善行を積むとカルマ値はプラスされ、その逆でマイナスされます。つまり善人(及び多くの一般人)はカルマがプラス、犯罪者などがマイナス。カルマ式ステータスシステムにおいてレベルやステータス上昇の恩恵に与れるのはこのカルマがプラスの人だけで、マイナスの人はレベルなどは上がらず、さらに犯罪(程度不明)を犯すと謎の業火に焼かれて死ぬ。そんな感じです。つまりはまとめると、地球という星そのもの(或いはそれに手を加えた神)によって人間の善悪が(人間的な良識・価値観に基づいて)管理された世界になった、という感じでしょうか。ちなみに一巻を読んだ限りでは数字の大小に意味はあまりないようで、"マイナスでないこと"だけが意味を持っているようです。

さて、長々と本作品の特徴、世界の設定について話をしたわけですが―――

ぶっちゃけ、そんなのどうでもいいんです。

世界設定やそのオリジナリティというのは、正直本当にどうでもよくて、なろう小説を読むか読まないか決めるそのポイント。それはキャラクターの魅力、その関係性、お話全体の雰囲気、これでもう9割だと思います(若干過言)。その上で次にシナリオ・構成、テキスト、最後に設定でしょうか。式にすると、

キャラクター>>>雰囲気≧シナリオ≧テキスト>>>設定

という感じです。その観点から見て、個人的に今作は割といい感じかと思っています。百合度は高いというほどではないですが、メイン四人の女の子はみんな可愛いし、関係性も非常にいいです。テキストはちょっとあれですが、独特である、という見方も出来ます。またこの作品のカルマ式ステータスシステムによって、人間側の悪というものは基本的には存在できません。そのため作品全体の雰囲気も(生死云々は別として)悪いものになりません。また、合間にちょいちょい出てくるスレッド会話、いわゆる『おまえら』のやり取りも見てて楽しいです。総じて全体的にいい感じにまとまった作品だと思います。

反面今まで私が紹介してきたなろう作品の中でも、特にその独特の雰囲気が強いです。なのでなろう系に嫌悪感を持つ方、それらを苦手とする方にはちょっと受け入れ難いかと思われます。逆に言えばそこさえクリア出来るならかなり薦めやすい作品と言えるので、『俺はいけるぜ!』という方は是非読んでみて下さい。

それではノ