※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります
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<作品概要>
・タイトル:ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
・ 著者 :小川一水
・イラスト:望月けい
・投稿時点での発行巻数:1巻(完結)
<評価>
・ シナリオ :★★★★★★★★★☆
・ 構成 :★★★★★★★★★☆
・ 世界観 :★★★★★★★★★★
・ 雰囲気 :★★★★★★★★★☆
・キャラクター:★★★★★★★★★★
・ テキスト :★★★★★★★★★☆
・ 絵 :(表紙のみ)
・ 読みやすさ :★★★★★★★★☆☆
・ 総合 :★★★★★★★★★★
・ オススメ度 :★★★★★★★★★☆
<百合的注意点>
・百合度:低~中
・男性キャラの登場頻度:中
・ 男性キャラの邪魔さ :低~
<感想など>
こんばんは!年度も代わって、漸く少し暖かくなってきましたね。このまま気温と湿度が上がっていけば巷を騒がせているコロナウイルスも少しは大人しくなるのでしょうか? 私は医療職なのでよく言われる自宅待機とは縁遠い生活ですが、皆様はいかがでしょう。ネガティブになってもいい事はないですし、ここは上質な百合作品を大量に摂取して心身ともに健やかな生活を送るのが良いのではないかと思います。
そんなわけで本日紹介しますのは、ハヤカワのSF小説作品、「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」です。
人類が宇宙へ広がってから6000年。辺境の巨大ガス惑星では、都市型宇宙船に住む周回者(サークス)たちが、大気を泳ぐ昏魚(ベッシュ)を捕えて暮らしていた。男女の夫婦者が漁をすると定められた社会で振られてばかりだった漁師のテラは、謎の家出少女ダイオードと出逢い、異例の女性ペアで強力な礎柱船(ピラーボート)に乗り組む。体格も性格も正反対のふたりは、誰も予想しなかった漁獲をあげることに――
こちらは以前このサイトでも紹介した百合SF小説アンソロジー「アステリズムに花束を」のうち、最後に描かれていた同名作品に大幅に加筆・修正された単行本ver.です。メインの二人は大きな変更はなく、短編集で描かれたエピソードを踏襲しつつより大きなシナリオになって帰ってきました。
アンソロのページを見てもらえると分かるのですが、こちらはアンソロで読んだときに私が一番気に入っていた作品で、この一作の為だけにあれを買うだけの価値があるとも思っていたほどのものでした。今回私はその辺りのことを覚えていたわけではなく、何となくでこちらの本を購入したのですが(短編のタイトルまでは覚えてないんです・・・)読み始めてすぐに「あの時のだ!」と確信出来ました。そしてそこから期待した通り、とても素晴らしい作品でしたね。
ジャンルは『女性二人が主役のSF作品』で、『SF要素のある百合作品』ではありません(ですが二人の関係性はすごく―――)。描写としては、SF的な説明部分を除くと主人公(大きい方)とヒロイン(小さい方)の掛け合いが殆どを占め、本当に二人の物語、という感じがしてとても良きです。
SF描写に関しては慣れが必要だと思うのですが、物語自体は非常にわかりやすく、とても読みやすい作品だと思います。百合度もそこそこあって、また単純に面白い作品なので、アンソロで読んでいた方はもちろん、そちらを読んでいない方も是非購入してみてください。
それではノ