※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります
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<作品概要>
・タイトル:完全人型
・ 著者 :中里一
・イラスト:―
・投稿時点での発行巻数:1巻(完結)
<評価>
・ シナリオ :★★★★★★★★★☆
・ 構成 :★★★★★★★★★☆
・ 世界観 :★★★★★★★★★☆
・ 雰囲気 :★★★★★★★★☆☆
・キャラクター:★★★★★★★★★☆
・ テキスト :★★★★★★★★★★
・ 絵 :―
・ 読みやすさ :★★★★★★★★★☆
・ 総合 :★★★★★★★★★☆
・ オススメ度 :★★★★★★★☆☆☆
<百合的注意点>
・百合度:中~高
・男性キャラの登場頻度:無
・ 男性キャラの邪魔さ :―
<感想など>
私としてはちょっと珍しい事なのですが熱量があるうちに紹介しようと思います。
今回の「完全人型」はつい先日紹介したばかりの「紅茶ボタン」と同じ中里一先生の小説です。
まずこの小説についてですが、先日の「紅茶ボタン」とは打って変わって読みやすい文章となっております(まぁあれは意図してやってますしね)。内容もいいし、キャラもいい。どれもバッチリでした。ただ一点・・・
読みにくい!!
・・・え?さっき読みやすいって言ったじゃん!と思われるかもしれません。しかしこの読みにくいは作品に対する不満ではなく、製品に対する不満です。どういうことかというと、この商品、kindleで縦書き表示なのに右にページを送るんです。それがとにかく気持ち悪い。そして第四章だけ横書きになって、第五章で縦書きに戻りました。どういうことなの・・・
これだけです。本当にこの点だけもったいなかった。多分kindleでなければまた違うのだと思います。なのでこれはkindle商品に対する文句だと思って下さい(笑)
内容ですが、「完全人型」(或いは単に「完全」、もちろんこう述べるからには完全でない「人型」がいる)と呼ばれる人の形をした機械のお話です。主人公・桑原灯が居候している清水衣紅がモニターとして本来高価で手が出ない「完全人型」である製品呼称・遥を入手して共に暮らす六週間のお話。
衣紅の命名・嬉子とよばれるその完全がとてもステキで、もしこの世に存在するならば私だってぜひとも共に暮らしたいと思える存在です。登場人物は灯、衣紅、灯の妹・みのり、完全人型の製造・運用企業(複数あります)に勤める山口無二子の四人です。表記上そうなっているので間違いありません。
「紅茶ボタン」よりはわかりやすく百合をやっていると思います。あくまで比較してですけども。
さて、私がこの小説を読んで、また前回の「紅茶ボタン」を読み切ることが出来たのは何なんだろうと考えたのですが、kindleのオススメ商品に答えがありました。
それは「どろぼうの名人」(全一巻、或いは全二巻)です。中里十先生の「どろぼうの名人」、なるほど、この作者だったかと納得がいきました。あの時感じた不思議な読後感を思えば、今回のこの二作に惹かれたのもさもありなん。私が今回紹介したこの二つに対する私の評価は、ものすごく好きな作品ではないけれど、普通の好きなではなくて、ちょっと特別な好きです。優劣や順位とはちょっと違う方向性での特別感を私に持たせてくれたものと言えます。
そして同時にこれと同じ感覚を味わった小説がもう一つありました。確認してみるとなるほど中里十先生。結局その全てが一人の著者だったわけです。ちなみに作品名は「君が僕を」(全四巻)。個人的にこの人の作品の中で一番気に入っているのはこのシリーズかなと思ってます。
そんな感じで今回は中里一先生の「完全人型」でした。上にある読みにくさはあったものの内容は文句ないです。ですのでkindleでないにせよ何かしらで触れてもらえると幸いです。また「紅茶ボタン」、「完全人型」の番外編小話「食前酒・告白」というものがあります。先の二つを読んでいただけたのであれば、こちらもどうぞ。
それではノ