百合好きによる百合好きのためのレビュー

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メルヘン・メドヘン(総括)

今回の記事はメルヘン・メドヘンというメディアミックス企画について個別に評価し、感想を述べようと思います。少し長くなると思いますがご容赦を。

小説

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 <作品概要>

・タイトル:メルヘン・メドヘン
・ 著者 :松智洋(StoryWorks)
・イラスト:カントク
・投稿時点での発行巻数:4巻(完結)+1巻(番外編)

 <評価>

・ シナリオ :★★★★★★★★★☆
・  構成  :★★★★★★★★★☆
・   世界観   :★★★★★★★★★☆
・   雰囲気   :★★★★★★★★★☆
・キャラクター:★★★★★★★★★★
・ テキスト :★★★★★★★★★☆
・    絵    :★★★★★★★★★★
・  読みやすさ  :★★★★★★★★☆☆

・  総合  :★★★★★★★★★☆
・  オススメ度  :★★★★★★★★★☆

 <百合的注意点>

・百合度:中~高
・男性キャラの登場頻度:低~中
・  男性キャラの邪魔さ :低

 <感想など>

まずは小説版からいきます。

そもそもメルヘン・メドヘンは故・松智洋先生が主導しStoryWorksさんにて企画されたメディアミックスプロジェクトで、松先生の急逝後、StoryWorksメンバーが後を引き継いで展開された作品です。

その内小説版は一番最初に表に出た作品であり、私の中では最も「原作」と呼ぶにふさわしいものとして位置づけられています。

 

話の内容ですが、主人公・鍵村葉月はちょっと特殊な、だけど普通の女の子でした。ある日彼女はファストフード店にて本を読もうとしていたところフードを目深にかぶった謎の女性(?)を見かけます。明らかに浮いた姿であるにもかかわらず誰も注目をしないその少女を目で追うと、彼女が誰の目にも映っていないことが判りました。

「これは夢にまで見た魔法なのでは!?」そう思った葉月は彼女を追って店を飛び足して・・・

この世界には「魔法」があり、また「原書」と呼ばれる本が存在します。「原書」は人の世に語られる物語を基にした存在で、とても強い魔法の力を秘めています。そしてそれを扱うのが「原書使い」、所謂魔法使いと呼べる存在です。主人公・鍵村葉月はとても強力な原書・シンデレラ(原書の強さは歴史や人々の知名度などに依存する)に選ばれることによって原書使いとなり、様々な出来事に遭遇していく事になります。

 

大雑把にはこんな感じでしょうか。原書使いは皆女性(少女)であるため、基本的にお話は女の子たちが中心に進んでいきます。メインとなる日本校のメンバーのうちレギュラーは葉月を含めて三人(後に五人まで)、うち葉月と深く関わるのは先に彼女が追いかけた少女・土御門静です。

色々な事柄が描かれますが、メインはこの二人の友情?と成長のお話となります。

個人的な感想としては百合度はまぁまぁ高めで、この二人以外にも色々と楽しめる部分があるのでそういった需要にも十分に対応してもらえます。

ただ、話自体はシリアスが多めで、特に全四巻に綺麗に収めているため無駄な話がなく、日常的な描写は少ないと思って下さい。

 

この時点で断言しますが、小説版が頭一つどころかかなり抜けて他の媒体のものよりも出来が良いです。なので、もしこの作品に触れたいと思った方はまずこちらの購入をお勧めします。少なくとも小説版はお金を出す価値が十分にあると私は思っております。

カントク先生(何だか不思議な語感ですが(笑))のイラストも大変素晴らしいので、是非に。

 漫画

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※二巻以降が発売されている場合、記事作成時点で読んだ全てを対象としています
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 <作品概要>

・タイトル:メルヘン・メドヘン
・ 著者 :山縣清継
・ 掲載誌 :ジャンプSQ
・投稿時点での発行巻数:2巻(完結)

 <評価>

・ シナリオ :★★★★★★★☆☆☆
・  構成  :★★★★★★☆☆☆☆
・   世界観  :(小説と同じ)
・   雰囲気  :★★★★★★☆☆☆☆
・キャラクター:★★★★★★★☆☆☆
・    絵   :★★★★★☆☆☆☆☆
・  読みやすさ :★★★★★★★☆☆☆

・  総合  :★★★★★★☆☆☆☆
・  オススメ度 :★★★★★☆☆☆☆☆

 <百合的注意点>

・百合度:中
・男性キャラの登場頻度:低~中
・  男性キャラの邪魔さ :低

 <感想など>

次は漫画版です。

こちらはずいぶん短く終わってしまっており、内容としては小説版の一巻までとなっております。ただ、展開そのものは若干小説版と異なっており(もちろん大筋は同じですが)、そこが・・・上手くいっていればよかったのですが、私が比べる限りでは小説の展開の方が良かったように思います。

また絵もどうしてもカントク先生と比べることになるため見劣りすると言わざるを得ないでしょう。早い段階で完結(私は打ち切りと判断しました)となったのも仕方ないかな・・・

(ジャンプ系なのもよくなかったのでしょう。スクエニ系の雑誌ならもう少し続いた可能性も・・・ある、かな?)

 

手軽に読めるのが漫画のメリットだと思いますが、余程活字にアレルギーでもない限りは小説版の購入で間違いないでしょう。まぁ私は両方買ってるのですが(笑)

アニメ

※この記事における評価は直感によるものであり、相対的なものではありません
※記事にネタバレを含む可能性があります

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 <作品概要>

・タイトル:メルヘン・メドヘン
・ 監督 :上田繁(総監督:斎藤久)
・ 脚本 :上田繁、日高政光、石橋潤基、藤本義孝、小林孝史
・ 制作 :フッズエンタテインメント

 <評価>

・ シナリオ :★★★★★★★★★☆
・  構成  :★★★★★★★★☆☆
・  脚本  :★★★★★★★★☆☆
・  世界観   :(同上)
・  雰囲気   :★★★★★★★★★☆
・キャラクター:★★★★★★★★★★
・  作画  :★★★★☆☆☆☆☆☆
・   ボイス  :★★★★★★★★★☆

・  総合  :★★★★★★☆☆☆☆
・  オススメ度 :★★★★★★☆☆☆☆

 <百合的注意点>

・百合度:中~高
・男性キャラの登場頻度:低
・  男性キャラの邪魔さ :低

 <感想など>

最後にアニメ版です。

キービジュ(上記)を見てもらえるとわかるのですが、キャラデザはかなり良いです。カントク先生の絵柄を上手くアニメに落とし込んでいると思います。ただ・・・ただただ、作画が悲しかった。始めのうちは良かったのですが後半段々と息切れしていくのが悲しかったです。またOPが途中から変更になったあたり恐らく最初流していたのは暫定版(よくある本編切り抜き版)だったと思うのですが、完成版が微妙で正直暫定版の方が良かったまであったのもちょっとマイナスポイント。EDはともかく、昨今のアニメだともうちょっとOPは動きがほしいかな・・・?

最終的に打ち切りの様に10話で放送を終えてしまったのも悲しい。そのうち残りの話数もやるっぽいのですが、いつやるのかがわからない・・・(どうも延期したっぽい?)

全体的に体力のなさでだめにしてしまった感が否めないです。

 

良いところを挙げるのであれば、脚本は良かったと思います。小説をあらかじめ読んでいると些か駆け足ぎみに感じてしまいますが、これはラノベ原作の場合はもう避けられない事だと思っているので。特に皆に大人気ロシア校の回などとてもよかったです(このアニメ最大の見どころは葉月の「ウラー!」ではないかと半ば本気で思っています)。

 

最後に断っておくと私はこのアニメ、というか作画で落ちるパターンに対して否定的ではありません。むしろ、現在のアニメ業界の方々の労働環境を思うと憂えるばかりです。

ただ、出来上がったものを評価してレビューするというサイトである以上制作環境やそれに対する同情などは交えずに記事にしているので、その点悪しからずお願いします。

最後に

 以上がメルヘン・メドヘンシリーズに対するレビューとなります。

もう一度言いますが小説版は素晴らしいです。アニメから入って「うーん・・・」と思ってしまっている方が少なからず見受けられる印象なので何度でも言います。小説版買って読んでください

ちなみに小説の番外編というのは各校のお話がそれぞれ短編集として描かれていて、どれも好きなのですがインド校だけ他と比べて百合度が数段高かったです(笑)

アニメも11話・12話はちゃんと見ます(公式サイト予定では2018.12)。期間あいた分しっかり作りこまれてると嬉しいなぁ・・・

 

追記)一番右はAmazonのPrimeビデオです。Prime会員になると見放題なのですが、年会費3900円という安さ(他のアニメ見放題サイトと比較して)、そもそもPrime会員はプライム・ビデオを見るためのサービスじゃない(各種サービスの一つにすぎない)、他の見放題サイトが取りこぼした作品をちょくちょく押さえてくれる、などアニメ好きには(も)中々嬉しい特典満載なので、お勧めです。